はじめに:なぜ今、家の「強さ」の根拠が問われるのか?
近年、日本各地で大きな地震が頻発し、マイホームを検討される多くの方が「地震への備え」を最優先事項としてお考えになるのは、もはや当然のこととなりました。しかし、多くの住宅会社のパンフレットやウェブサイトには「地震に強い家」「耐震等級3相当」といった言葉が並び、一体どれが本当に信頼できる情報なのか、判断に迷ってしまうのではないでしょうか。
本当に大切なのは、ただ「強い」と謳うことではなく、その「強さの根拠」がどこにあるのかを、科学的かつ客観的に証明できるかどうかです。
この記事では、私たち愛岐木材住建が標準仕様として採用しているパナソニックの耐震住宅工法「テクノストラクチャー」をテーマに、なぜこの工法が地震に強いのか、その核心となる仕組みを専門家の視点から分かりやすく解説します。この記事を最後までお読みいただければ、家の強さの本質とは何か、そしてご家族の未来を守るために本当に必要な住まい選びの基準をご理解いただけることでしょう。
パナソニック テクノストラクチャーとは?基本の仕組みを解説
テクノストラクチャー工法を一言で表すなら、「日本の伝統的な木造住宅の良さと、鉄骨造の強さを融合させたハイブリッド工法」です。地震の多い日本の気候風土で長年培われてきた「木造軸組工法」をベースに、最も力がかかる重要な部分を鉄で強化することで、木の家の弱点を克服し、強度と設計の自由度を飛躍的に向上させています。

木の家の弱点を克服する「テクノビーム」
テクノストラクチャー工法の心臓部とも言えるのが、木材と鉄骨を組み合わせたオリジナルの複合梁「テクノビーム」です。
木材は、柱のように上からの圧縮する力には非常に強いという長所があります。しかし、梁のように横向きに使われ、上からの荷重を支える「曲げ」の力に対しては、長年の間にはわずかにたわんでしまう可能性がありました。この「たわみ」は、家の構造に少しずつ影響を与える可能性があります。
テクノビームは、この弱点を克服するために開発されました。梁の中心部分に軽量H形鋼という強靭な鉄骨を挟み込み、上下を木材(集成材)でサンドイッチ状にしています。これにより、木の持つしなやかさと鉄の圧倒的な強度を両立。長期にわたって「たわみ」の発生を抑え、安定した構造強度を維持します。テクノビームにより大スパンの空間が可能になるケースがあるが、実際の可否や必要な補強は間取り・仕様ごとの構造計算で判断されます。
部材の接合部にも妥協しない「オリジナル接合金具」
どれだけ強い柱や梁を使っても、それらを繋ぎ合わせる「接合部」が弱ければ、家全体の強度は確保できません。地震の際には、この接合部に非常に大きな力が集中します。
従来の木造住宅では、職人の手作業による「ほぞ加工」などで木材を接合していましたが、どうしても施工品質にばらつきが生じやすいという課題がありました。
テクノストラクチャーでは、この重要な接合部に独自開発された高強度の「オリジナル接合金具」を使用します。柱と梁、梁と梁などを強固に連結し、地震の揺れによる部材のズレや変形を抑制。部材の断面欠損も最小限に抑えることができます。この金具を用いることで、施工する職人の技術力に左右されることなく、設計どおりの安定した強度をどの家でも実現できるのです。
【本質】「耐震等級3」のさらに先へ。全棟構造計算の重要性
家づくりを検討されている方なら、「耐震等級3」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。これは住宅性能表示制度における最高ランクの耐震性能を示すものですが、実は同じ「耐震等級3」であっても、その信頼性には大きな差があることをご存知でしょうか。
その違いを生むのが「構造計算」の有無です。従来は、一般的な2階建て以下の木造住宅(4号建築物)では構造計算の提出が免除されることが多かったが、2025年4月の建築基準法改正により対象範囲が縮小され、木造2階建て等でも構造計算(許容応力度計算)が必要となる場合があります。
一方で、パナソニックはテクノストラクチャー採用住宅で1棟ごとに許容応力度計算を行っていると公表しています。詳細はパナソニックの公式情報や契約条件をご確認ください。これは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のビルなど、大規模建築物と同じレベルの極めて精密な計算です。なぜパナソニックが、あえて法律で定められた以上の手間とコストをかけてまで全棟構造計算にこだわるのか。それは、一棟一棟の間取りや形状が異なる注文住宅において、科学的根拠に基づいた「本物の安心」をお届けするためなのです。私たち愛岐木材住建がご提供するお住まいは、アイモクでは「長期優良住宅」が標準仕様なんです!でもご紹介している通り、この確かな構造計算に裏打ちされています。
参考:建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し – 住宅
同じ「耐震等級3」でも中身が違う?3つの計算方法
耐震等級3の住宅を建てるためには、主に3つの方法(ルート)があります。どの方法を選ぶかによって、その安全性の検証レベルは大きく異なります。
- 仕様規定(簡易計算):壁の量を簡易的に計算する方法。詳細な構造計算は行われません。
- 性能表示計算:仕様規定よりは詳細ですが、許容応力度計算に比べると簡略化された計算方法です。
- 構造計算(許容応力度計算):建物の重さ、地震や台風、積雪などの荷重を想定し、柱や梁一本一本にかかる力を精密に計算する方法。最も信頼性が高い検証方法です。
テクノストラクチャーでは、最も詳細で信頼性の高い③の「構造計算(許容応力度計算)」をすべての家で標準実施しています。これは、お客様の家の間取りやデザインに合わせて、その一棟のためだけにオーダーメイドで安全性を検証していることに他なりません。

法律の基準を超える388項目もの緻密なチェック
テクノストラクチャーの構造計算は、その厳しさにおいても群を抜いています。一般的な構造計算でチェックする項目数をはるかに超える、最大388項目(多雪地域では440項目)もの多角的な災害シミュレーションを実施します。(出典:パナソニック プレスリリース)
巨大地震の揺れはもちろん、地域ごとの積雪量や強風の圧力まで考慮し、あらゆる自然災害に対して家がどのように耐えるかを徹底的に検証します。例えば、建物のバランスを示す「偏心率」という指標があります。この数値が小さいほど、地震の際に建物がねじれにくく、倒壊のリスクが低いとされます。一般に偏心率に関する設計上の目安として0.3が用いられることがある一方、テクノストラクチャーでは自社のより厳しい目標値(例:0.15)を設けているとパナソニックが公表しています。具体的な適用条件は資料を参照してください。法律の基準を大きく超える厳しい自社基準こそが、圧倒的な安全性能の証です。
一棟ごとに発行される「構造計算書」と「保証書」という安心の証
厳しいチェックをクリアした証として、テクノストラクチャーの家には、一棟ごとにパナソニックから「構造計算書」と「構造計算保証書」が発行されます。
分厚いファイルにまとめられた「構造計算書」は、あなたの家がどのような計算に基づいて安全性が確保されているかを示す、いわば「家のカルテ」です。そして「構造計算保証書」は、その計算が間違いなくパナソニックによって行われ、その結果に責任を持つという約束の証です。
これらは、目に見えない「構造の強さ」を客観的な形で証明するものであり、将来にわたって住まいの資産価値を維持することにも繋がります。建てた後も「この家は、これだけの根拠があって安全なのだ」と確信できることは、何物にも代えがたい安心感をもたらしてくれるはずです。
テクノストラクチャーで後悔?知っておくべきデメリットと対策
これほど優れた工法ですが、インターネット上では「デメリット」や「後悔」といった言葉も見受けられます。どんな工法にも長所と短所があるのは事実です。ここでは、お客様が懸念される点について誠実にお答えし、私たちプロとしての対策も合わせて解説します。
費用は割高になる?→ 安全への投資と捉える
高品質な部材の使用や、一棟ごとの詳細な構造計算を行うため、一般的な木造住宅と比較して初期費用が割高になる可能性はあります。しかし、私たちはこれを単なるコスト増とは考えていません。これは、万が一の災害からご家族の命と大切な資産を守るための「未来への投資」です。
地震で大きな損傷を受ければ、修繕には多額の費用がかかります。また、テクノストラクチャーの家は構造的な安心感から資産価値が維持されやすいという側面もあります。長期的な視点でのメリットが期待できる場合があるが、資産価値の維持や費用対効果は地域・市場動向・メンテナンス等により変わります。具体的な期待値は個別にご説明します。愛岐木材住建では、ZEH・機密測定・長期優良住宅が標準仕様となっており、構造強度だけでなく、省エネ性能や耐久性も含めたトータルでの価値をご提供しています。

間取りに制約がある?→ 強度を優先した最適なプランニング
「厳しい構造計算をクリアするために、デザインの自由度が下がるのでは?」というご心配もあるかもしれません。確かに、安全性を最優先するあまり、どうしても抜くことのできない柱や壁が出てくる場合はあります。しかし、それは「制約」というよりも「安全性の証」と捉えるべきものです。
その上で、テクノストラクチャーの強みである「テクノビーム」を活かせば、むしろ柱の少ない広々としたLDKや大きな窓、吹き抜けといった開放的な空間設計を得意としています。大切なのは、工法の特性を熟知した経験豊富な設計士が、お客様のご要望と構造上の安全性を高いレベルで両立させるプランニングを行うことです。私たち愛岐木材住建の設計士は、自由と安全を両立した最適なプランをご提案します。
断熱性が低い・寒い?→ 施工会社の実力が問われるポイント
「梁に鉄骨を使っていると、熱が伝わりやすく(ヒートブリッジ)、冬は寒くなるのでは?」という懸念も耳にします。これは、まさに施工会社の断熱・気密施工に対する技術力が問われるポイントです。
構造体そのものの性能が優れていても、断熱材の施工に隙間があったり、気密処理が不十分だったりすれば、家の性能は台無しになってしまいます。私たち愛岐木材住建では、長年にわたり220棟以上のテクノストラクチャー住宅を手掛けてきた実績があります(出典:社内実績資料、集計期間:1998年~2024年)。その経験を活かし、テクノビーム周辺の断熱・気密処理を徹底。さらに、全館空調換気システムや、一棟ごとの高気密測定を標準仕様とすることで、構造体の強さと一年中快適な高い住宅性能を両立させています。どうぞご安心ください。
まとめ:土岐市で本当に地震に強い家を建てるなら
パナソニックのテクノストラクチャーは、単に「耐震等級3」という言葉だけでなく、一棟一棟の設計に対して精密な「構造計算」という科学的根拠をもって、その安全性を証明する工法です。
テクノビームによる圧倒的な躯体の強さと、388項目にも及ぶ厳しいチェック体制は、万が一の災害時にはご家族を守る強固なシェルターとなり、そして日々の暮らしにはかけがえのない安心感をもたらしてくれます。
岐阜県土岐市をはじめとする東濃地域で、この優れたテクノストラクチャー工法を用いた「本当に地震に強い家」を建てるなら、ぜひ地域に根差して家づくりを行ってきた私たち愛岐木材住建にご相談ください。

愛岐木材住建のモデルハウスで「強さの根拠」を体感しませんか?
記事でお伝えしてきたテクノストラクチャーの「強さの根拠」や、それによって実現する柱の少ない開放的な大空間は、やはり実物を見て、触れて、体感していただくのが一番です。
愛岐木材住建は、岐阜県土岐市・東濃地域に根ざし、パナソニックビルダーズグループの一員として約220棟のテクノストラクチャー住宅を手掛けてきました。地域で豊富な土地情報を保有し、ZEH・長期優良住宅を標準仕様とする高い技術力で、土地探しから高性能な家づくりまでワンストップでご提案します。ぜひ一度、私たちのモデルハウスでその強さと快適さをご体感ください。
オンラインの情報だけでは伝わらない「本物の安心感」を、ぜひ現地でお確かめください。最新情報や開催の可否は当社ウェブサイトのイベントページまたはお電話(0572-55-4051)にて直接ご確認ください。現在公開中のモデルハウスで、皆様のお越しを心よりお待ちしております。
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